腰痛と腹横筋
腰痛と腹筋
腰痛と腹筋は深い関係があります。
あまりそのメカニズムが分かっていなかったとしても、腰痛対策=腹筋と思っている方は多いのではないでしょうか?
それは概ね合っています。腹筋が強くなれば腰への負担は減ります。
胴体を一つの「箱」として考えたとき、前側の面が腹筋、後側の面が背筋です。ついでに左右横側の面は腹筋の一部です。
ではこの腹筋が弱くなるとどうなるのか?
箱は崩れます。崩れないにしてもどこかに負担がかかります。
それが背部、要は腰です。
人間は元来背筋は強く、腹筋は弱くなるように出来ています。
(発達の過程をたどると分かります。このお話はまた別件にて説明します。)
そのことから腰痛対策=腹筋、と考えられるのです。
腹筋の中の腹横筋
では腹筋を行えば腰痛は改善するのでしょうか?
絶対、とは言い切れませんがかなり有効です。ひとまず腹筋を実施することから始めることは強くお勧めします。
そして改善の方向に進めばOKですが、なかなか効果が現れないこともあります。
その時に疑うのが「正確に使えているか?」です。
腹筋と言っても種類があります。
一番表に見える「腹直筋」。左右を斜めについている「外腹斜筋」「内腹斜筋」。
そして一番内側にある「腹横筋」です。
この「腹横筋」が特に腰痛に対して関係のある腹筋となります。
腰痛の方の腹横筋
面白い研究があります。
「腰痛のある方々、腰痛のない方々の腹横筋の厚みを調べよう」という研究です。
一般的に厚みがあれば「強い」、厚みがなければ「弱い」とされています。
結果の一部を抜粋しました。
「腰痛にて受診経験のある群は,腰痛を認めるが受診経験のない群および腰痛経験のない群と比較して腹横筋筋厚が低値であり,他筋は有意差がなかった。」
※第49回日本理学療法学術大会 「上位胸郭・下位胸郭の拡張差と腹横筋厚の関連性」川邊真如他 より引用
要約すると、腰痛のある方々は腹横筋は薄く、腰痛の無い方々は腹横筋が厚いという結果が出ています。
そして、その他の腹筋の厚みはどちらもほぼ変わらないという結果も示しています。
そのことから、腹筋全般が腰痛に関係するわけではなく、腹横筋と腰痛が関係することが分かります。
まとめ
腹横筋が腰痛の関連することは分かって頂けたかと思います。
では一般的に行われるような腹筋運動は腹横筋に効くのでしょうか?
これは非常に難しいところです。効く人もいれば効かない人もいる、と思っています。
まずは一般的な腹筋運動を行なっていきながら様子を見ていくことをお勧めします。
大体1ヶ月ほどで筋肉は使い方を覚えていきます。まずはそこまで実施してみて判断をしましょう。
腹横筋にターゲットを絞るような方法はまた別件でご紹介します。